介護認定とは?認定調査と判定方法をわかりやすく解説【役立ち】

介護の役立ち情報

施設で働いていると利用者が認定調査を受けているのを目にしたり、立ち会ったりすることはあるけれど、認定調査でどうやって判断して介護度が決められていくのか分からない人も多いのではないでしょうか。

認定調査によって介護度が変わり、受けれるサービスや範囲が変わってきてしまう大切なものです。
介護の仕事に従事しているのなら、概要だけでも知っておきたいですね。

この記事では、認定調査と判定方法について分かりやすく解説いたします。

どうやって介護認定が行われるの?

介護認定を受けるには、認定調査を受ける必要があります。
認定調査は本人か家族から市町村の窓口へ申請書を提出されることで行われます。

おおよその流れは以下のように勧められます。

要介護認定を受けるまで
  • 申請

    住んでいる市町村の窓口へ申請書を提出します。

  • 調査

    市町村の職員や市町村から委託を受けた介護支援専門員が自宅や施設を訪問して、日頃の心身の状況等について聞き取り調査を行います。

  • 1次審査

    コンピュータによる1次判定を行います

  • 介護認定審査会

    介護認定審査会で「コンピュータ判定の結果」と「訪問調査時の特記事項」「主治医の意見書」をもとに要介護度の最終判定をします

  • 結果の通知

    申請してから30日以内に、市町村から認定結果を知らせます

  • 更新
    更新

    要介護認定は、一定期間(概ね6ヶ月)ごとに見直しが行われます

介護認定調査の調査項目

認定調査はどのような視点で行われるのかを解説します。

認定調査は「身体機能・起居動作」「生活機能」「認知機能」「精神・行動障害」「社会生活への適応」の5項目で調査していきます。

具体的には下の表の内容に沿って調査を進めます。

認定調査票の基本調査項目
身体機能・起居動作
(基本的動作に障害があるかどうか)
・麻痺の有り無し、関節の動きの制限
・寝返りや起き上がりが可否
・立位、座位を保てるかの可否
・視力、聴力 など
生活機能
(ひとりで日常生活を送れるか)
・移乗や移動の動き
・食事の状況について
・排泄、排便ができるか
・歯磨き、洗顔、整髪
・衣類の着脱
・外出の頻度 など
認知機能
(認知機能に問題がないか)
・生年月日や年齢を言うことができるか
・名前を言うことができるか
・今の季節を理解しているか
・自分がいる場所を理解しているか
・外出して戻れないことがあるか など
精神・行動障害
(生活の中で問題となる行動は無いか)
・ひどい物忘れ
・情緒不安定
・被害妄想や作り話をする
・昼夜逆転
・同じ話ばかりする など
社会生活への適応
(社会生活を適切に送れるか)
・薬の服薬
・金銭管理
・集団行動の可否
・買い物
・簡単な調理 など

コンピューターの判定基準

認定調査での調査内容をもとに、まずコンピューターで判定します。

これが一次判定です。

コンピュータによる一次判定は、認定調査の結果を基に、約3,500人に対し行った「1分間タイムスタディ・データ」から推計します。

「介護の手間」を表す「ものさし」としての時間である「要介護認定等基準時間」を下記基準にあてはめて判定していきます。

行為(介護の手間)
直接生活介助入浴、排せつ、食事等の介護
間接生活介助洗濯、掃除等の家事援助
問題行動関連行為徘徊に関する探索、不潔な行為に関する後始末等
機能訓練関連行為歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練
医療関連行為輸液の管理、じょくそうの処置等の診療の補助等

これら介護(介護の手間)に対して、どれくらい時間がかかるか(要介護認定等基準時間)を基準に、要支援1から要介護5までを判定します。

 要介護認定等基準時間
要支援125分以上32分未満である状態またはこれに相当すると認められる状態
要支援2要支援状態のうち32分以上50分未満である状態またはこれに相当すると認められる状態
要介護132分以上50分未満である状態またはこれに相当すると認められる状態
要介護250分以上70分未満である状態またはこれに相当すると認められる状態
要介護370分以上90分未満である状態またはこれに相当すると認められる状態
要介護490分以上110分未満である状態またはこれに相当すると認められる状態
要介護5110分以上ある状態またはこれに相当すると認められる状態

介護認定審査会とは

コンピューターの判定がでると、それをもとに介護認定審査会で、微調整をしていきます。

介護認定審査会に参加する委員は、保健、医療、福祉に関する学識経験者で構成されます。
委員は基本的に市町村や関係団体からの推薦によって市町村長から任命されます。

コンピュータによる「一次判定結果」と「主治医意見書」をもとに申請者の要介護度を公平かつ公正に審査・判定します。

通知

認定結果は、「要介護1~5」「要支援1・2」「非該当(自立)」のいずれかになります。

認定結果は申請日から30日以内に通知され、要介護度が明記された結果通知書と、被保険者証が利用者に届きます。

■不服がある場合
考えていた介護度とかけ離れていて介護保険サービスを受けられないなどある場合には不服の申し立てができます。

結果通知を受け取った日の翌日から3ヵ月以内なら不服申し立てを行うことができます。

ケアプランの作成からサービス開始まで

要介護認定が下りて、介護保険サービスを利用するにはケアプランを作成し、自治体に提出する必要があります。

・要支援は「介護予防サービス」
・要介護は「介護サービス」


となるため、作成から開始までが変わってきます。

要支援1~2のケアプランからサービス開始まで

要支援1~2は「介護予防サービス」が利用可能です。

サービスを利用するには、地域包括支援センターに連絡し、職員と相談しながらケアプランを作成します。

要介護のケアプランからサービス開始まで(居宅介護)

まずはケアプランの作成をしてくれるケアマネージャーを選ぶ必要があります。

居宅介護支援事業所(ケアマネージャーが配置されている事業所)や地域包括支援センターに相談して担当のケアマネージャーを決めます。

ケアマネージャーにケアプランを作成してもらうことでサービスを利用することができます。

ケアプランが完成すれば、自宅で利用できる事業者と契約を行います。

要介護のケアプランからサービス開始まで(施設)

入所したい施設を自分で見学に行くなどして決める必要があります。

条件があった施設に直接申し込みを行うことで入居が可能になります。

ケアプランは施設のケアマネージャーが作成することでサービスを利用開始することができます。

この記事は専門家が監修しています
介護福祉士/終活アドバイザー
青葉 時生

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