「認知症カフェ」は、認知症の高齢者やその家族にとって、心身ともに健やかな生活を送るための場所です。
介護従事者の皆さんも、認知症カフェの運営や参加に携わることで、より質の高い介護を提供することができます。
しかし、認知症カフェの運営や参加には、事前準備から当日の運営まで時間と労力が必要です。
この記事では、認知症カフェを運営や参加する際に必要な「事前準備」から「当日手順」「注意点」について詳しく紹介します。
▼関連記事
・「認知症カフェ」がオンラインで!知っておきたいメリットとデメリットとは?
・認知症カフェとは?高齢者の不安を解消するコミュニケーションの場
認知症カフェの事前準備
認知症カフェを開催するにあたり、以下のような事前準備が必要です。
カフェの場所の確保
認知症カフェを開催する場所は、介護施設だったらファミリールームを使ったり、公民館などを利用することが多いです。
開催する日時や人数に応じて、適切な場所を選びましょう。
スタッフの確保
認知症カフェを開催するにあたり、スタッフが必要です。
スタッフは、認知症の人や家族、介護者とコミュニケーションを取りながら、イベントを進行する役割を担います。
介護従事者や必要に応じて家族や地域のボランティアを募集しましょう。
プログラムの準備
認知症カフェには、交流会や講演会などのプログラムがあります。
プログラムを準備するにあたり、参加者のニーズに合わせた内容を考え、スタッフが担当するものと外部の講師を招くものなどを組み合わせましょう。
告知、参加者募集
認知症カフェを開催するにあたり、地域の人にカフェの存在を知ってもらうためには、告知が必要です。以下のような方法で宣伝をしましょう。
認知症カフェの当日の手順
認知症カフェの当日は、以下のような手順で進行します。
- Step1参加者の受付と案内
参加者が集まったら、スタッフが受付を行います。受付では、参加者に名札を渡し、プログラムの案内や会場の案内を行います。
- Step2プログラムの開始
プログラムは、スタッフや外部の講師によって進行します。
交流会では、参加者同士がコミュニケーションをとりながら、楽しく過ごします。講演会では、講師による講演を聞きながら、認知症に関する知識を深めます。 - Step3休憩時間
プログラムの途中には、休憩時間を設けましょう。
参加者同士が交流する時間や、軽食を提供する時間などを設けることで、よりリラックスした雰囲気で過ごせるようになります。 - Step4プログラム2部の開始
休憩時間が終わったら、プログラムを再開します。
参加者が集中して聞けるよう、場所や時間に配慮して進行しましょう。 - Step5終了と片付け
プログラムが終了したら、参加者にアンケート用紙を配布し、フィードバックをもらいましょう。参加者からの意見や感想を参考に、今後のプログラムの改善点を検討することができます。
高齢者も集まることから、時間は1時間半から2時間くらいでプログラムを作ってみましょう。
認知症カフェの注意点
認知症カフェを開催の際には、開催状況や参加者によって異なりますが、以下のような注意点があげられます。
- 参加者のプライバシーの保護
参加者が認知症であることや、介護の状況などは、個人情報にあたるため、適切に取り扱いましょう。また、参加者に対して、個人情報に関する説明や同意を得るようにしましょう。 - 安全対策の徹底
参加者の中には、高齢者や認知症の方が集まります。
転倒や怪我をしないよう、会場内の段差や障害物がなるべくない状態にしたりして、怪我や事故がない環境づくりに努めてください。 - 飲食物に注意
参加者には認知症の本人を始め、高齢者の参加も考えられます。
嚥下状態に合わせてトロミ剤などの準備もしておき、適切な対応を行いましょう。 - コミュニケーションの工夫
認知症の方が参加する場合、コミュニケーションが難しくなることがあります。適切なコミュニケーション方法や手段を工夫し、参加者との円滑なコミュニケーションを図りましょう。また、交流会の際にはアイスブレークなどしてアットホームな環境で話しやすい雰囲気づくりに努めましょう。 - スタッフのフォロー体制の整備
スタッフは、認知症の方々と接することが多いため、認知症に関する知識や技術を習得しておく必要があります。また、スタッフのフォロー体制を整備し、万が一の場合に備えることが大切です。
地域の方への認知症への理解を深めることができるせっかくの機会です。
安全かつ円滑なプログラムを実施できるように十分注意しましょう。
まとめ
認知症カフェは、認知症の方々が地域の中で暮らしやすくなるために、開催される重要なイベントのひとつです。
しかし、開催する場合には、多くの注意点が存在し、安全かつ円滑なプログラムを実施することが必要です。
認知症カフェは、地域の認知症ケアに欠かせない存在であり、より多くの方々が参加しやすいよう、注意点を把握して開催してください。
この記事は専門家が監修しています
介護福祉士/終活アドバイザー
青葉 時生
コメント