【転職】介護職の不安3選・本音の退職理由3選と会社を見るポイント

転職・就職

介護業界は未だに離職率、転職率というイメージが高い業界です。
実際は【転職】介護職の離職は多い?魅力とやりがい5選【もう一度初心に】にも記載した通り、他業種と変わらないレベルまで改善されています。

しかし、実際に現場にいると多いと感じることがあるのは事実です。

それは、介護職になってまだ数か月の新人が辞めていったり、3~5年目の脂がのってきた職員の退職のインパクトと考えられます。

では、どのような理由で辞めていくのでしょうか。

介護職が持っている不安や退職理由を知ることは、事業所の問題点が分かり、就職、転職先選びには必要不可欠と言えるでしょう。
せっかく介護の仕事をしようと決めたとしても、「思っていたのと違った」と感じてしまって振り出しになりかねません。
介護事業所は見るポイントによって見え方が変わってきますし、人によって合う合わないがあるのです。
具体的な数値と実体験を交えて介護職の辛いこと、退職理由について解説し、見るポイントを紹介していきたいと思います。

数値で見る退職理由

介護職の悩みや退職の理由とはいったいどういったものなのでしょうか。
実際の調査結果が以下のように公表されています。

以下は、介護労働安定センターが実施した令和2年と3年の労働条件・仕事の悩みのアンケートデータになります。

介護労働安定センター 令和3年度 介護労働実態調査結果

最も多いのが「人手が足りない」となり、次いで「賃金が低い」「身体的負担が大きい」といことを負担に感じているという調査結果でした。

この仕事の条件、悩みが退職に直結することもありますが、それだけではなくが別の退職理由がアンケート結果に出ています。

介護労働安定センター 令和3年度 介護労働実態調査結果

結婚、出産は別にして、「人間関係」が圧倒的にあがっており、次いで「自分の将来の見込み」「収入が少ない」「他に良い職場があった」「会社の方針にに不満があった」となっています。

収入が少ないは不安、悩みにも上がっていたので重要な事項と思われます。

実際の現場とそれほど大きな違いがない数値が示されているようです。

問題は、これらの不安や退職理由を元に、どういう視点で就職先を選べばいいのか、ということです。
そのためにも介護職の不安、介護職の退職理由がどういった背景にあるのかを知っておきましょう。

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【解説】介護職の悩み・不安 3選

どんな仕事でも不安はあるとは思います。
では、介護職をすることでどんな不安があるのでしょうか。
また、回避方法はあるのでしょうか。

人手が足りない

介護の世界は以前から人手が足りないと言われ続けています。
特に近年は高齢者の増加で施設を利用する人が増えており、その傾向が強いと感じます。

ただ、国の定める基準を満たしていることから、全体的に人が足りていないわけではありません。

多くの利用者への介護サービスをする中で、求められるサービスそのものが多様化し、質も問われるようになったことが忙しさを感じてしまうことの原因と考えられます。
更にボランティア色の強い業種なだけあって、どこまでの手伝いをしたらいいのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。
「中途半端に引継ぎをするのなら、最後までやり切ってあげよう」と思ってしまうことも理解できます。

しかし、そのことにより引継ぎやシフトの動き自体が遅れてしまい、全体に忙しさを感じてしまうのです。

これは、全体のコントロールできる現場のスタッフがいるかどうかがカギになることが多いです。
施設長など事務職は常に現場を見ているわけも行きません。
そういったスタッフがいるかどうかで大きく変わってくるでしょう。

▼関連記事 【転職】介護職の退職理由1位の「人間関係が悪い」理由【体験談】

賃金が安い

介護職は本当に賃金が安いのでしょうか?
採用の情報を見ると、年収450万や500万という数字をよく見るようになりました。

国も処遇改善や加算をとることで賃金をあげるように動いており、他業種と大きく変わらないレベルまできていると感じています。

ただ、注意してほしいのは、処遇改善交付金などの還元方法です。
しっかりとスタッフに還元しているのか、それは毎月の給料なのかということです。
事業所によって処遇改善交付金をボーナスに一括で還元としているところもあるようですが、本来貰えるボーナス+処遇改善になっているのかしっかり確認したほうがいいと思います。

ボランティア色が高い業種ですが、仕事なのです。

そして、専門職なので自分の介護職はもちろん、施設全体のレベルを常に向上させることを考えていないと給料はあがりません。
リーダーシップをとり、高い介護技術にに合った賃金を提供できる「介護福祉士」になってしっかりとした給料がもらえると考えておいたほうがいいでしょう。

介護福祉士の取得ができるのが最短で5年ですので、通常の会社に入って役職について給料があがるのとタイミングはほとんど変わらないと考えられます。

私も介護福祉士の資格を取って、給料が一気に5万円アップした経験があります。

そういった賃金UPのロードマップを会社が提示しているのかは、就職、転職前に調べておく必要があります。

▼関連記事 介護職の給料は安い?全産業との比較と低賃金と感じる理由

身体的負担が大きい

高齢者の介護が重度化するにつれて、身体介護での職員の負担は大きくなりますね。
ただ、以前に比べて腰や膝を悪くしたと言って辞めていく人は少なくなってきました。

これは、各事業所がボディメカニクスを取り入れた介護技術の習得に力を入れているからです。
介護職は専門職ですから、常に向上し、専門性を高めていく必要があります。
介護の技術や知識の研修やOJTがしっかりとされているのか、というところも就職先を選ぶ目安になります。

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【解説】介護職の退職理由 3選

介護職がもっている不安とは別に退職理由があります。
前述のデーターにもあるとおり、重なるのは「賃金」のところだけなのです。

しっかりと理由を知ることで回避できる仕事先を探しましょう。

人間関係

入ったばかりで辞めていく介護職に多いのがこの人間関係ではないでしょうか。

介護職は、利用者が満足するサービスを提供することは一人ではできません。
他のスタッフと一緒にチームを組んでコミュニケーションを取り合いながらサービスをすすめていくことが必須になるため、人間関係を上手くこなせるかは重要です。

施設見学の際には、施設内のコミュニケーションが上手く取れているかのチェックが必要です。

施設で人間関係の問題を解決する中心人物は施設長です。
スタッフだけではなく、施設長が他のスタッフとどういうコミュニケーションをとっているのかもチェックしましょう。

▼関連記事 【転職】介護職の退職理由1位の「人間関係が悪い」理由【体験談】

自分の将来の見込みがたたない

介護職として仕事を始めて3~5年経ち、中堅くらいになると出てくる退職理由です。

今は介護職として現場でいいけれど、将来、どういう役職でどういう仕事を目指せばいいのかが分からないことが多いかと思います。
自分が介護職のまま50代、60代とやっていけるのか体力面なども含めて考えると、不安になり、モチベーションが極端に低下するのです。
とはいっても、施設長の忙しさを見ていると、それを目指すのも引けるわけです。

そのモチベーションのまま職場を変えても、前進はしないでしょう。
介護の世界で生きていくのならビジョンをしっかりと持つことが大切です。

  • 専門性を高めて、多施設のスーパーバイザーや介護の講師を目指す
  • 施設長を経験したのちに部長になってエリアをまとめる
  • 人事部や経理部に異動して現場をサポートする立場になる

介護事業所も他の会社と何も変わりありません。
転職、就職先を決める際には、そういった他の職種に挑戦できる公募制度などはないのかを知っておいたほうがいいでしょう。

他にいい職場があった

他にいい職場があったということは、今いる「会社の理念や運営に不満があった」ということに繋がります。
これも介護職として仕事を始めて3~5年経ち、中堅くらいになると出てくる退職理由です。

特に、コロナの感染対応などでスタッフは疲弊しているうえに制限をかけられ、不満を言ってしまうケースが良く見られました。

コロナだけに限らずですが、重要なのは「高齢者の命を預かっている仕事」ということです。
もし、その観点で会社の方針が間違っているのなら不満も仕方がないのではないでしょうか。

転職、就職先を決める際には、事前に会社の方針が自分の「高齢者への介護理想」という点で相違がないかは確認しておいたほうがいいでしょう。

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職場を決める時の確認ポイント

介護職が不安に思っていることと、退職する理由を見てきました。
これから「介護の仕事を始める人」はもちろん、「転職を考えている人」は事前に確認したり、面接でしっかりと質問をすることが大切です。

  1. 全体のコントロールできる現場のスタッフがいるかどうかを見極める
  2. 賃金UPのロードマップを会社が提示しているのか
  3. 介護の技術や知識の研修やOJTがしっかりとされているのか
  4. 施設長が他のスタッフとどういうコミュニケーションをとっているのか
  5. 他の職種に挑戦できる公募制度などはないのか
  6. 会社の方針が自分の「高齢者への介護の理想」という点で相違がないか

せっかく介護の仕事をしようと決めたとしても、「思っていたのと違った」と思ってしまっては元も子もありません。

介護事業所は見るポイントによって見え方が変わってきますし、他の業種と同様、人によって合う会社、合わない会社があるのは当然です。
しっかりと企業研究をして就職活動に取り組むことをお勧めします。

この記事は専門家が監修しています
介護福祉士/終活アドバイザー
青葉 時生

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