介護保険制度とは?
まずは、複雑で分かりづらい介護保険の仕組みやサービスの基礎については、以前の記事で分かりやすく説明させていただきました。
▼参考記事 「介護保険制度とは?仕組みやサービスの基礎を分かりやすく解説」
しかし、実際の利用方法やお金の流れの仕組みについて分かっていないと、ご家族への説明や相談があった時に困ってしまいますよね。
この記事では、介護保険のサービス開始までの流れと、負担割合や助成金について分かりやすく解説していきたいと思います。
介護保険サービスの利用方法
まず、介護保険の利用をスタートするまでの流れを見ていきましょう。

認定調査の申請
まず、介護保険サービスの利用方法の第一歩として、要支援・要介護認定が必要です。
これは、市区町村の高齢者福祉窓口や地域包括支援センターに相談することになります。
申請に関しては本人が行けない場合でも親族なら可能です。
- 申請書
- 介護保険証
- マイナンバー
- 主治医の意見書(※)
- 代理人が向かう場合には代理人の身分証明書(免許証など)
※主治医の意見書
主治医の意見書は認定調査を受けるにあたって必要になるものです。
では、どのようにして用意すればよいのでしょうか。
貰い方は2通りあります。
- 直接主治医に依頼する
直接かかりつけ医に依頼する方法です。
様式は全国一律なので、市区町村の窓口やダウンロードをしたものを用意します。
とはいっても、当日医師に渡すのはNGです。事前に相談しましょう。 - 市区町村から主治医に依頼する
まず、市区町村の窓口にかかりつけの病院名・住所・医師名などの基本情報を伝えます。
その後、市区町村は医師に書類を送付し、作成を依頼します。
こちらも事前に相談をしておく必要があります。
認定調査
次に認定調査が実施されます。
申請書を提出すると、数日のうちに連絡があり、市区町村から派遣された調査員が自宅等で面接調査を行います。
介護度の決め方、基準は以下の記事で詳しく説明していますので参考にしてください。
結果通知
それでは、結果はどのくらいで出るのでしょうか?
認定調査後は、「コンピューターによる一次判定」 → 「介護認定審査会」を経て、1か月ほどで結果通知が届きます。
以下の記事で詳しく説明していますので参考にしてください。
サービスの利用開始方法
さて、ここまで来て、ようやく介護保険を使用したサービスを利用開始することができます。
ただ、利用方法はケースごとに変わってくるので注意しましょう。
- 施設に入所する場合の方法
ご自分や家族で施設を探す必要があります。
入所が決まると、施設に所属するケアマネージャーがケアプランを作成します。 - 居宅で介護予防サービスを受ける場合の方法
要支援の判定で、介護予防サービスを利用する場合は、担当が地域包括支援センターになります。地域包括支援センターに連絡をして、職員と介護予防サービスの作成しサービスが開始されます。 - 居宅で介護サービスを受ける場合の方法
要介護の判定の方は、まず居宅介護支援事業所というケアマネージャーが配置されている事業所を探します。市区町村のホームページなどで調べることができます。
居宅介護支援事業所が決まるとケアマネージャーが詳細されるため、今後の希望のサービス利用方法やプランの相談をすることができます。
自己負担と助成制度

それでは、最後に、介護保険サービスを利用するにあたっての自己負担と助成制度について見ていきましょう。
介護にかかる費用の負担など、いわゆるお金の流れですね。
負担割合
介護保険サービスは全額公費で賄われるわけではありません。
そのため、介護事業者に支払う費用を「負担割合」に応じては一部自己負担する必要があります。
そこで、利用者の負担は基本的には1~3割となります。
なお、基本的には1割ですが、前年の所得により2~3割の負担となります。
そして、残りの7~9割が介護保険(5割)や国、都道府県、市町村(5割)から介護事業所に支払われる仕組みです。
利用限度額
それでは、介護保険のサービスは無限に利用できるのでしょうか?
実は、介護保険を利用する場合には、要介護度に応じて1か月に利用できる単位(限度額)が決まっています。
次に、地域などによって1単位あたりの金額が異なりますが、目安として1単位あたり10円と考えて紹介します。
要介護度 | 支給限度額 | 金額(10割額) |
---|---|---|
要支援1 | 5,032単位 | 約50,320円 |
要支援2 | 10,531単位 | 約105,310円 |
要介護1 | 16,765単位 | 約167,650円 |
要介護2 | 19,705単位 | 約197,050円 |
要介護3 | 27,048単位 | 約270,480円 |
要介護4 | 30,938単位 | 約309,380円 |
要介護5 | 36,217単位 | 約362,170円 |
このように、区分支給限度額を超えたサービス利用は、全額自己負担となります。
その他費用
通所介護や施設を利用の場合、食費、居住費、日常生活費については介護保険の対象外のため、全額自己負担になります。
また、訪問系のサービスの食材費などについも同様です。
助成制度
このように、介護保険で負担の軽減はされますが、日常的に介護保険サービスを利用するとなると、収入や心身状態により費用の負担が重くなることがあります。
助成制度とは、そういった場合でも、公平に介護サービスが受けることができるたもめのものです。
高額介護サービス費 | 1か月に支払った利用者負担の合計が負担限度額を超えたときに、超えた分が払い戻される制度です。ただし、居住する自治体に申請する必要があります。 |
市区町村独自の助成制度 | 国の制度とは別に、市区町村によって支援金を行なっている場合があります。 これは、厚生労働省が「家族介護支援特別事業」として定めたものを、各自治体の判断で行っている制度です。 ・介護用品にかかる費用の支援 おむつなどの費用が支援されたり、現物を支給されたりします。 参照:https://www.city.kawasaki.jp/ ・家族介護支援金 一定の介護度以上の高齢者を自宅で介護している方に、日頃の介護をねぎらう目的で現金が支給されます。 参照:https://www.town.ino.kochi.jp/hoken ※ただし、自治体によって取扱い内容が変わってきますので、事前にお住まいの地域の福祉課などで確認が必要です。 |
まとめ
このように、複雑な介護保険の流れ、利用方法を2回に分けて紹介してきましたがいかがでしょうか。
(その1:介護保険制度とは?仕組みやサービスの基礎を分かりやすく解説)
しかも、介護保険制度の見直しは3年に1回行われるため、細かな数字などを追いかけるとキリがないものです。
まずは、施設や事業所に勤めているのなら、自身の会社のパンフレットや重要事項説明書などをしっかりと把握するところから始めると良いかもしれません。
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