【介護の仕事とは】仕事内容から資格取得、始め方まですっきり説明

転職・就職

介護の仕事を始めたいけど、どう始めたらいい?
介護職ってどんな仕事を内容なんだろう
介護の仕事って稼げるの?


介護という言葉はよく聞きますが、これから仕事を始めようか悩んでいる方は具体的な介護の仕事内容までは知らないという方もいるでしょう。
また、介護の仕事はどんな資格があれば「介護職」として働けるのか。資格がないと働けないのか。どれぐらい稼げるのか。わからないことが多いと思います。

この記事では、そういったこれから介護を始めようと思う方の疑問を分かりやすく説明いたします。

介護の仕事内容とは

介護職の仕事内容は、主に介護サービスを利用している方に対して「その人らしい生活」を送ってもらうための身体介護生活援助を行うことです。

以下で身体介護と生活支援について、そして「その人らしい生活」について説明します。

身体介護とは

身体介護は、主に利用者の食事、入浴、排せつ、移動など直接身体に触れて介護をすることです。

寝たきりの方から筋力が低下して一人では起き上がれない、一人で歩くと転びそうという身体的に不安や一人での日常生活での行動が困難な比較的介護度が高い利用者の介護をする際に求められます。

基本的に無資格の人が身体介護を行う際は、有資格者の監督が必要です。

生活援助とは

生活援助は、主に利用者の掃除、洗濯、調理などの利用者の身体に触れない家事などの援助を行う仕事です。

生活の中で、すべての家事をこなすことが困難な方で、介護度が低い方から高い方まで幅広く介護の仕事をする際には求められます。

介護の資格がなくても仕事をすることが可能です。

その人らしい生活のお手伝い

「その人らしい生活」とは何でしょう?

利用者全員が、それぞれ歩んできた背景が違います。
例えば、「野球が好き」「トマトが嫌い」という人もいれば、「野球は嫌い」「トマトが好き」と真逆の人もいるのです。

その人のこだわりや習慣、趣味、嗜好もその人らしさです。

もちろん、身体機能や認知機能の低下により、今までできていたことができなくなることがあります。
でも、画一的な介護ではなく、その人が歩んできた背景を理解、尊重し、寄り添うことが「その人らしいお手伝い」ではないでしょうか。

介護職の実際の仕事例

介護職の具体的な仕事内容は、食事、入浴、排泄の介助、掃除、レクリエーションなどの生活全てと介護記録など盛りだくさんです。

そう沢山ならべられると不安になってしまいますよね。もちろん、入社直後には先輩がしっかりついてくれるので安心してください。
生活援助の部分は自分でも日常的にしていることも多く、やってみるとすぐに慣れることが多いと思います。
以下で詳しく説明いたします。

排泄介助

排せつ介助とは、一人でトイレへの移動や、衣類の脱ぎ着が難しい方を介助したり、おむつ交換を行うなど、要介護者の排せつを助ける介助全般のことです。

排泄方法は、トイレやポータブルトイレ、オムツなど利用者ごとに異なり、トイレへの誘導やおむつ交換など利用者さんの心身の状態に合わせたケアをする必要があります。

また、できるだけスピーディに、且つ自立して排泄ができるようにケアすることが大切です。

自分が介護されることをイメージすれば分かると思いますが、利用者は介護を受けながら少なからず羞恥心を持っています。

なるべく、羞恥心に配慮し、自分でできることは自分でし、お手伝いの部分はスピーディにケアすることが必要になります。

食事介助

食事介助は、箸を口元まで持っていく食事動作が難しかったり、認知症で食べ物と認識できないなど、自分で食事をとることが難しい方に的確なケアをします。

椅子に座れる方、リクライニングの車いすの方、ベッド上の方など様々な場面があることに加え、それぞれの嚥下、咀嚼の状態に合わせた介助方法をしなければいけません。

食事は高齢者にとって栄養摂取という意味以上に楽しみなものです。
目が見ずらい方などには、メニューの説明などして楽しく食事をしてもらえるように心がけてください。

でも、あまり話しかけると、食べ物が口に入ったまま喋りだしてしまい、誤嚥などしてしまう可能性があるので注意しましょう。

誤嚥、窒息などのリスクがある介助になるため、先輩にしっかり指導してもらい、細心の注意をして介助ましょう。

入浴介助

入浴介助も、主要な身体介護の1つです。
入浴の準備から、更衣、浴室での移動、洗浄、洗髪など一連の動き全ての介助を行います。

浴室は靴や靴下を脱ぎ、いつもとは環境が違います。

入浴前のバイタルチェックで体調を確認することや、転倒防止や浴槽内での窒息、お湯の温度など危険な場面が多いため、細部にわたって注意が必要です。

また、羞恥心にも配慮して、人としての尊厳を損なうことがないよう、介助中の言動にも細心の配慮が求められます。

就寝介助・起床介助

就寝介助・起床介助はパジャマへの着替えや整容などの寝る前と起きた後の介助です。

就寝、起床の時間帯はスタッフが一番忙しい時間かもしれません。
でも、利用者ごとに決まった化粧水を使う方、明るくないと眠れない方、髭剃りにゆっくり時間をかける方など様々なルーティンやこだわりがあるので、その人に寄り添った手伝いができるように心がけましょう。

また、脱いだものをキチンと畳む、カーテンの開け閉めをするなどの配慮が必要です。

移乗介助

移乗介助とは、ベッドから車いす、車いすからトイレなどの移動が困難な方に対し、動きをサポートする介助です。

無理な体勢になっていないか、周りにぶつかるようなものがないかなど注意して行わないと、利用者だけでなく介助者も転倒やケガをするリスクがあります。

また、スライディングボードやフレックスボードなど利用者や介助者の負担を減らす福祉器具もありますが、使い方を間違えると事故の原因にもなります。

利用者の心身状態によっては一人での介助が難しく、他のスタッフと二人での以上介助が必要な場合もあります。

専門家や先輩にしっかりと指導をしてもらい、細心の注意を払って介助しましょう。

移動介助

移動介助は移乗介助にともない、利用者が移動、立ったり座ったりする際のサポートをします。

利用者ごとに車いすや、歩行器、杖などの福祉器具を使用して移動する際に支えたり、見守りをして安全に移動できるように介助します。

無理な姿勢や障害物などの察知など気を付けないと転倒のリスクがあり、利用者の状態や周りの状況をよく把握し、状況に応じて対応することが求められます。

車いすなど、介助に使用する機器類の安全確認、整備も、仕事の一つです。

口腔ケア

口腔ケアとは、利用者の口腔内を綺麗にし、清潔に保つための介助です。
一般的にブラッシング、うがいをしますが、利用者の状態によって変わってきます。

歯がない、うがいができないなど、状況によって口腔内を清拭したり、口臭が発生する原因になる舌苔を除去するために舌ブラシを使ったりと様々な対応が必要になってきます。

口腔内に食べ物の欠片が残っていると、それが眠っている間に肺に入り、誤嚥性肺炎の原因になるリスクもあります。

口腔内の健康を保つことは、利用者がいつまでも食事がとれるために必要な重要な仕事です。

掃除

生活援助の中の掃除は、利用者本人が暮らしているスペースの掃除や、ゴミ出しなどを代わりに行います。

施設などだと、専門のスタッフがいる場合もありますが、日常的に整理整頓をして環境を整えることは利用者の健康を維持するためにも必要不可欠な仕事です。

介護の資格を持っていない方も入れる仕事です。

洗濯

生活援助の中の洗濯は、利用者本人が暮らしている中で出た洗濯をサポートします。

食べこぼしや排泄物の汚れが多く、衛生面からみてもこまめなサポートが必要です。

介護の資格を持っていない方も入れる仕事です。

調理・食事の準備

生活援助での調理は、利用者本人の日常の食事の調理や配膳、下膳、片づけなどのサポートを行います。

訪問介護では必要になってくるサポートです。

介護の資格を持っていない方も入れる仕事です。

レクリエーション

介護施設やデイサービスなどの介護事業所では時間を設けて実施します。
レクリエーションは、娯楽やゲームで楽しむだけでなく、レクリエーションを通して人との交流をすることで、生活意欲の向上を目指したり、身体を使うことで機能の向上を目指すことが目的となります。

正月やクリスマスのイベントで四季を感じてもらったり、歌や脳トレなどをして楽しんでもらいます。

入居者の笑顔がみられ、コミュニケーションもとれるため、やりがいや喜びに感じる仕事です。
施設によって実施しないこともあるので、仕事選びの際には確認しましょう。

介護の資格を持っていない方も入れる仕事です。

介護記録

介護記録は、利用者の様子や状態を記録として残すことです。

職場のスタッフ間で正確に共有や引継ぎをし、スタッフごとに介助方法が違うなどの利用者が混乱することがないよう、継続的な介護サービスを実施するために重要です。

また、医師、看護、機能訓練指導員との連携の際にも役立ちます。
自分の気持ちや憶測ではなく、第三者として俯瞰した内容を記録する必要があります。

介護サービスごとの仕事内容の違い

介護の仕事は介護サービスの内容によって大きく2種類に分けられます。
居宅サービス施設サービスです。
この分類によって実施サービスも変わってきますし、居宅サービスの中、施設サービスの中でも中心となる仕事が変わってきます。

働き始めてから「思っていた仕事内容ではない」ということがないように、事前に知っておきましょう。

居宅サービスの仕事

介護保険上の介護職員が仕事として入るサービスは以下があげられます。

訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護

主に、可能な限り自宅での生活を求めている利用者に対し、訪問したり通ってもらうことでサービスを提供します。

訪問介護の場合は、利用者の自宅に訪問しサービスを行うため、生活援助のサービスも必要になってきます。
それに対し、通所介護(デイサービス)はレクリエーションや機能訓練の手伝いも行います。

施設サービスに比べ平均的には介護度は低目ですが、自宅での看取りを希望される方もいる為、一概には言えません。

▼施設ごとの仕事内容の詳細をこちらの記事で詳しく解説しています
【一覧解説】介護の仕事を始める前に介護施設の種類別特徴を知ろう

施設サービス

介護保険上の施設サービスに介護職員が仕事として入るサービスは以下があげられます。

介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、(特定施設入居者生活介護)

施設サービスは、利用者が施設に移住し、その中でサービスを実施します。

制度上、本来は特定施設入居者生活介護は居宅介護になりますが、働き方としては施設サービスと同じと考えてください。

施設ごとに特徴があり、一概には言えませんが、身体介護を中心として、レクリエーションなども実施します。

医療サービスが整っている施設は介護度が高くなります

▼施設ごとの仕事内容の詳細をこちらの記事で詳しく解説しています
【一覧解説】介護の仕事を始める前に介護施設の種類別特徴を知ろう

介護の仕事の資格

介護の仕事をするには、資格が必要なの?

そんな疑問を持っている方もいるかと思います。

資格がなくても介護の仕事を始めることはできますが、利用者の身体に直接触れる身体介護は資格がないと許可されていません。

最初に取得するべき資格は「介護職員初任者研修」です。

5~10万円の費用が掛かりますが、働きながら取得をサポートしてくれる企業もあるので安心してください。

ただ、先に取得しておくことで、就職先の選択肢が増えるのは魅力的です。
特に訪問介護では、一人で状況を判断して身体介護と生活介護をしなくてはいけないので、介護職員初任者研修の資格がないと仕事を始められません。

こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

介護職の給料

介護職の仕事を始めるにしても、給料がどれくらいなのか気になるところですよね。

「介護の世界は低賃金」なんて話を聞いたこともあるかもしれませんが、それはもう過去のことです。

国も、介護職に対する処遇の改善に取り組んでいることもあり、以下の表を見てもわかる通り、年々給料が上がってきています。

介護従事者取得資格別の処遇
平均勤務年数令和3年令和2年
(令和3-令和2)
全体8.7316.610円309.230円7.380円
資格あり合計8.9319.460円312.610円6850円
保有資格あり介護福祉士9.5328.720円322.680円6.040円
社会福祉士8.9363480円347.210円16.270円
介護支援専門員13.0362.290円355.850円6.440円
実務者研修7.7307.330円299.890円7.440円
初任者研修8.1300.510円293.380円7.150円
保有資格なし5.2271.260円262.420円8.840円
厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

スキルも持っていない未経験の業界に入ることを考えると、賃金が低すぎるということはないでしょう。

介護業界の将来性

高齢者の数は伸び続けていることは皆さんも理解されていることでしょう。

第二次世界大戦が終わった後、1947年~1949年に日本では出生率が急激に増加しました。
このころに生まれた人たちを団塊世代といいます。

団塊の世代は3年間で806万人と他の世代と比べても突出しています。

そして、2025年には団塊世代が後期高齢者になります。

後期高齢者になると介護が必要になる人の割合が増え、介護職の需要は数十年は不足してくることが考えられます。

こんご、処遇も含め、注目の職業となるでしょう。

後期高齢者とは
高齢者とは、一般的に65歳以上の方をいいます。65歳以上75歳未満の方を「前期高齢者」といい、75歳以上の方を「後期高齢者」といいます。高齢者の世代の費用負担や財政運営の責任を明確化し、公平で分かりやすい制度にするため創設されました。

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