【特別養護老人ホームとは?】特養の働き方を徹底解説

介護の仕事の種類

「特別養護老人ホームって他の施設とどう違うの?」
「特養ってきついんじゃないの?」


これから介護の仕事をしようとする人や、転職を考えている方の中には「特別養護老人ホーム」と聞いても具体的なサービス内容や働き方は知らない人も多いかもしれません。

この記事では介護業界で転職や就職を考えている人のために「特別養護老人ホーム」の詳細と、働き方を徹底解説していきます。

特別養護老人ホームとは

特別養護老人ホームは介護保険サービスが適用される公的施設の1つです。
介護保険制度上は「介護老人福祉施設」と呼ばれ、常に介護が必要な方の入所を受け入れます。
大まかにまとめると以下の通りです。

特養とは
  • 介護保険施設(介護保険サービスで利用できる公的施設)のひとつ
  • 基本的に要介護3以上の方が利用可能
  • 入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などを提供
  • 夜間に看護師を配置する義務はない

特別養護老人ホームは中~重度の要介護の方が利用する施設です。
そのため看取り対応可能な施設が多くなっています。

右のグラフは介護老人福祉施設における看取り受け入れ方針のアンケートです。

87%以上の施設が受け入れをしています。

特別養護老人ホームの仕事内容

特別養護老人ホームは介護度が比較的高い方が入居するため、身体介護、生活援助ともに必要とされます。
ここからは具体的なサービス内容、仕事内容を紹介していきます。

特別養護老人ホームのサービス内容

様々なサービスを提供する特別養護老人ホームですが、具体的には以下のようになります。

食事の提供・介助特養での食事は、家庭と同等の栄養バランスを考慮した食事を提供します。
利用者ごとの嚥下状態や体調に応じて食形態も変更にも対応します。
入浴介助基本的に週2回の入浴を実施します。
入所者の体調に合わせて、機械浴などを利用します。
健康上の理由などで入浴が難しい場合は、清拭を実施します。
排泄介助排泄の間隔を考慮して定期的にトイレに誘導したり、寝たきりなど、トイレでの排泄が難しい場合には、ベッド上で排泄の介助をします。
その他身体介助移動、見守りなど安全に施設での生活ができるように介助を行ないます。
掃除・洗濯・買い物代行などの生活支援居室や共有スペースの清掃、洗濯は、施設職員や業者が定期的に実施します。
機能訓練日常生活に自立して過ごすことを目的とした生活リハビリを実施します。
理学療法士などの機能訓練指導員がいる場合には個別でリハビリを実施することも有ります。
レクリエーション生活に潤いや生きがいを与えるためのレクリエーションを実施します。
お花見、紅葉狩りなど外出レクを実施することも有ります。
家族対応家族に近況を報告することで、信頼関係を築いていきます。

夜勤はあるの?

介護を必要としている人のための施設なので、夜間も介護職員を配置する必要があります。

施設によっては、夜勤なしの正社員を募集している場合もあります。
夜勤は身体・精神ともに負担が大きいので、パートやそういった働き方ができる施設を選ぶのもいいかもしれません。

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特別養護老人ホームの一日の流れ

日勤帯の介護スタッフの一日の流れを紹介します。

時刻業務内容
8:00申し送り、引継ぎ
8:30朝食後の口腔ケア、誘導
9:30安否確認、トイレ誘導、水分補給
11:30昼食配膳、食事介助
12:30昼食下膳
13:00休憩
14:00誘導、レクリエーション
15:00おやつ提供・介助
16:00居室整備・洗濯物回収
17:00申し送り後、退勤

施設によって違ってきますが、大まかな流れはこのようになります。
早番、日勤、遅番など様々なシフトがあるため、連携をとりながらスムーズに業務をこなしていきます。

給料はどれくらい?

下のデータを見ると分かる通り、特養の給料は他の施設よりも高いということが分かります。
もちろん、夜勤の手当があるからという部分もありますが、収入が高いことは仕事先を考える上で、メリットの一つといえるでしょう。

介護職員の平均給与額の状況(月給・常勤の者、サービス種類別)
令和3年9月令和2年9月
(令和3年-令和2年)
介護老人福祉施設328,120円306,400円21,720円
介護老人保健施設323,770円301,650円22,120円
介護医療院290,140円280,420円 9,720円
訪問介護286,920円272,500円14,420円
通所介護275,670円264,730円10,940円
通所リハビリテーション326,940円318,560円8,380円
特定施設入居者生活介護313,160円299,590円13,570円
小規模多機能型居宅介護267,470円255,860円11,610円
認知症対応型共同生活介護287,670円277,660円10,010円
全 体 293,800円 280,390円13,410円
参照:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

特別養護老人ホームで働くメリット

特別養護老人ホームで働くメリットは以下の通りです。

特養で働くメリット
  • 経営が安定していて給料が高い
  • 介護技術・知識を習得できる
  • 寄り添った介護を実現できる

一つずつ紹介していきます。

経営が安定していて給料が高い

前項の「給料はどれくらい?」でも紹介しましたが、特別養護老人ホームの介護職は他の施設に比べると、頭一つ高い傾向にあります。

これは、特別養護老人ホームが社会福祉法人や自治体による運営に限られていて、経営状況が安定している法人が多いことも関係しています。

ベースとなる基準の給与が高く、夜勤や経験、資格を習得するなどの努力に応じて更に給与アップが見込める点は、特養の大きなメリットと言えます。

介護技術・知識を習得できる

特別養護老人ホームは、要介護度3以上の中~重度の要介護の方が利用する施設です。様々な心身の状況の方に対してのサービスを提供します。

利用者ごとに最適な介護技術を習得し、活かす場面があり経験値を積むことができ、知らなかったことを学習しながら経験値として積み上げることもできるため、転職の際にも一目置かれて有利に働きます。

また、特養には看護師、機能訓練指導員など専門的な資格を有している職員が沢山います。
医療やリハビリについての知識も習得することで確実に経験値は向上するでしょう。

寄り添った介護を実現できる

特別養護老人ホームとは」でも記載の通り、特養の入居者は施設を終の棲家として入居する方が多くいます。

そのため、生活を長期的にサポートをすることができる環境です。
その方らしい生き方、その方の本当にしたいことなど共に考え、プランを作成したり、寄り添ってお手伝いをすることができます。

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特別養護老人ホームで働くデメリット

それでは、特別養護老人ホームで働いていて辛いことはどんなものがあるのでしょうか。

特養で働いて辛いこと
  • 体力的負担が大きい
  • 看取りや緊急対応による精神的な負担が大きい

特別養護老人ホームの特長がメリットでもありデメリットでもあります。
一つずつ紹介していきます。

体力的負担が大きい

特別養護老人ホームには主に要介護度3以上の高齢者が入所します。
基本的に生活全てに何かしらの介助が必要な方で、身体介護の量も他の施設に比べると多くなる傾向があります。

経験を積んで業務に慣れれば負担が軽減する部分もありますが、初めての方、豊富な経験がない方にとっては、身体介護の多さが「特養はきつい」と感じることも有るかもしれません。

看取りや緊急対応による精神的な負担が大きい

特別養護老人ホームとは」でも記載の通り、特養を利用する方の多くが看取りを希望されています。
利用者とスタッフという関係であっても、やはり最期のお別れはつらいものです。

悲しい場面からの切り替えがうまくできない方は「特養はきつい」と感じることも有るかもしれません。

また、体調次第では救急搬送など緊急の場面にあたることもあり、夜勤で職員が少ない時には精神的に負担も増えることも考えられます。

まとめ

特別養護老人ホームはその特徴がメリットでもあり、「きつい」という印象をあたえるものになり得るものです。

自分は介護の世界でどのようになりたいのか、どのような働き方をしたいのか検討し、メリットの部分に当てはまるのなら最適な仕事先となるでしょう。

特養で働いてみたいという方は、介護の転職支援サイト一覧から自分に合った転職サポートを受けながら施設を探してみてください。

どのサイトも専任のアドバイザーが、希望に合った施設を紹介してくれます。

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