【定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは】働き方と訪問介護との違い

介護の仕事の種類

定期巡回・随時対応型訪問介護看護って何だろう?
訪問介護と何が違うの?


これから介護の仕事をしようと思っている方や、転職を考えている方には、こういった疑問を持っている方もいらっしゃると思います。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、訪問介護員または訪問看護師が利用者の自宅を訪問し、介護や看護を提供する24時間対応の介護サービスです。

では、訪問介護とはどう違ってくるのでしょうか?

この記事では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の具体的な仕事内容、働き方、採用条件など自分のしたい働き方やライフスタイルと合っているのかしっかりと判断できるよう、詳しく説明いたします。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、定期的な巡回や随時通報への対応など、利用者の心身の状況に応じて、24時間365日必要なサービスを必要なタイミングで柔軟に提供します。

厚生労働省 介護サービス情報公表参照

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、2012年に要介護度が高い重度者についての在宅での生活を支えるサービスとして介護と看護が連携し、1日も長く住み慣れた自宅での生活を可能にするサービスとして制度化されました。

在宅で24時間受けれる唯一のサービスです。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、一日に複数回訪問し、20分~30分ほどの短時間の食事、排せつなどの身体介護をする定期巡回を中心に4種類のサービスを用意しています。

定期巡回サービス

1回の訪問は20分~30分程度、1日3回~6回程度の訪問し、サービスを実施します。

訪問介護計画書をもとに、介護スタッフが定期的に利用者の住まいを巡回し、入浴や食事介助などの身体介護を中心にゴミ出しやポータブルトイレの清掃など短時間でできる生活援助を組み合わせて実施します。

提供サービスは利用者によって安否確認、健康チェック、見守りのみの場合もあります。

随時対応サービス

夜間訪問介護と同様に利用者の体調の急変や転倒があった時に通報を受け、利用者宅訪問し対応します。
緊急時の連絡をするためには、「ケアコール端末」が利用者に渡されるので、それを押すことで連絡ができます。

通報を受けたオペレーターは利用者の状況を判断し、訪問が必要と判断した際にサービスを手配します。

随時訪問サービス

オペレーターからの要請を受けて、随時、介護職員などが利用者の住まいに訪問して、入浴、排泄、食事等といった日常生活上の介護を行います。

訪問看護サービス

医師の指示に基づいて看護師が定期的に利用者宅を訪問し看護サービスを実施します。

サービス内容は主に健康状態の観察や状態悪化の防止、療養生活のアドバイス、リハビリや点滴・注射などの医療処置、痛みの緩和、服薬管理などの対応などがあります。

また、緊急を要する際にも、随時訪問して対応します。

訪問介護との違いは?

訪問介護や夜間対応型訪問介護の大きな違いは、サービス提供時間です。

訪問介護は日中のみのサービスです。
夜間対応型訪問介護は基本的に午後6時~朝8時までのサービスで生活援助は実施しません。

  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は24時間サービスを提供し、簡単な生活援助も実施します。また、訪問看護のサービスを受けれることで利用者は安心感もあります。

訪問介護と夜間対応型訪問介護は組み合わせてサービスを受けれますが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は併用できません。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の労働条件

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の仕事内容は訪問介護や夜間対応型訪問介護と大きく変わることはありません。

働き方の違いとして一番違ってくるのが日勤、夜勤を含めた24時間対応になることでしょう。
また、夜勤があるため給料も変わってきます。

転職を考えている方も働き方、給料が今の施設と比べてどう違うのか詳しく確認しておきたいですね。
ここでは、夜間対応型訪問介護で働く上での資格働き方給与などについて説明していきます。

時間帯

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の仕事は24時間対応になっているため、シフト制になっている事業所が多くなっています。

A事業所の場合
【日勤】9:00~18:00(休憩60分)
【夜勤】17:30~翌9:30(休憩120分)

B事業所の場合
【早出】7:00~16:00
【日勤】9:30~18:30
【遅出】12:00~21:00
【夜勤】17:00~翌10:00(休憩120分)

C事業所の場合
【早出】7:00~16:00
【日勤】8:30~17:30
【遅出】12:00~21:00
【夜勤】21:00~翌7:00(休憩120分)

夜勤は体力的にも精神的にも疲れが溜まります。
自分の働きやすい時間帯の事業所を見つけたいですね。

資格は必要?

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の仕事は「定期巡回」「随時対応」「随時訪問」「訪問看護」の4つに仕事内容が分類されており、さらにヘルパーを手配するオペレーターの仕事があります。
その役割によって必要な資格が異なってきます。

「定期巡回」「随時対応」「随時訪問」に必要な資格

  • 介護福祉士(オペレーターとの兼務可)
  • 実務者研修修了者
  • 初任者研修修了者
  • 旧介護職員基礎研修
  • 旧訪問介護員1級
  • 旧訪問介護員2級

「オペレーションサービス」に必要な資格

  • 医師
  • 保健師
  • 看護師
  • 准看護師
  • 社会福祉士
  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員
  • サービス提供責任者の業務に1年以上従事

「訪問看護」に必要な資格(オペレーターとの兼務可)

  • 保健師
  • 看護師
  • 准看護師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士

募集は多いの?給料はどれくらい?

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、2012年に要介護度が高い重度者についての在宅での生活を支えるために制定された、居宅サービスでは唯一の24時間対応のサービスです。

そのため、需要は年々増加し、検索すれば何千件もの募集がされています。

給料は、働く事業所の地域や、持っている資格や仕事内容によって異なってきますが、深夜帯の勤務時間は25%以上加算される決まりなので、日中の訪問介護に比べ給与が高くなっています。

正社員で月給29万円や、アルバイトでも日給20,000円の職場もあるようです。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護のメリット3選

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の介護職員として働く際のメリットを紹介します。
「きつい」というイメージのある夜勤の仕事ですが、「夜勤が好き」という方も意外と多いのです。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、緊急時の冷静な対応が求められる責任ある仕事ですが、実は多くのメリットがあります。

介護度が低目のため負担が少ない

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、夜間の緊急時の対応もあり精神的負担が多いと思われがちです。

しかし、本当のところはどうなのでしょうか。
下の表は定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜型訪問介護の比較になります。

夜間対応型訪問介護のほうが介護度の高い人の割合が圧倒的に多くなっていることが分かると思います。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は要介護1~2で50%以上を占めているのに対し、夜間対応型訪問介護は要介護2~3が多く、要介護4~5の利用者も多くなっています。

一概には言えませんが、重介護度の視点からは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は介護度が低く、体調不良などの緊急性のある場面が少ないということが分かります。

訪問介護に比べ給料が良い

介護職員の平均給与額の状況(月給・常勤の者、サービス種類別)
令和3年9月令和2年9月
(令和3年-令和2年)
介護老人福祉施設328,120円306,400円21,720円
介護老人保健施設323,770円301,650円22,120円
介護医療院290,140円280,420円 9,720円
訪問介護286,920円272,500円14,420円
通所介護275,670円264,730円10,940円
通所リハビリテーション326,940円318,560円8,380円
特定施設入居者生活介護313,160円299,590円13,570円
小規模多機能型居宅介護267,470円255,860円11,610円
認知症対応型共同生活介護287,670円277,660円10,010円
全 体 293,800円 280,390円13,410円
参照:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

上記はサービス別の平均賃金です。

働く事業所の地域や、持っている資格や仕事内容によって異なってきますが、深夜帯の勤務時間は25%以上加算される決まりなので、上記の訪問介護に比べると給与が高く、正社員で月給29万円や、アルバイトでも日給20,000円の職場もあります。

移動時間が多く人間関係を気にすることが少ない

スタッフ同士の接触の頻度が、施設などに比べると少なく、人間関係を気にする必要が極端に減ります。
訪問介護など外を回るサービスに勤めている人には、このメリットが気に入っている人が多いのではないでしょうか。

施設では一人の利用者の生活の質すべてを向上する必要があり、関わる全スタッフでコミュニケーションを繰り返し、より良いサービスを作り上げていきます。

その中で、コミュニケーションが得意、不得意。合う合わないなどでどうしてもすれ違いやボタンの掛け違いが発生してきます。

人によっては、そういったストレスが少ないことが居宅サービス全体の利点と言えるでしょう。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護のデメリット

色々なメリットのある定期巡回・随時対応型訪問介護看護ですが、やはりデメリットもあります。

しっかりと認識の上で定期巡回・随時対応型訪問介護看護の仕事を始めるかを決めていきたいところです。

施設系に比べると給料が低い

メリットでも説明していますが、確かに日中の訪問介護の仕事に比べると、夜勤手当がつくなど給料は高いメリットはあります。
ただ、施設系と比べると残念ながら低くなってしまいます。

生活のリズムが崩れやすい

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は正社員になると早番、遅番、夜勤などがあるシフト制となります。
日勤の合間に夜勤が入ってくるので、生活のリズムが崩れやすく体調管理も難しくなります。

夜勤明けに十分休養を取るなどして体調の管理をする必要があります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護はメリットが多くお勧めの仕事

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の仕事は、夜間の対応があり、利用者の体調が急変したり、転んでしまったときには、状況に応じて医療機関との連携や救急車の手配などを行う必要があります。

冷静な判断が求められますが、経験を活かすことのできるやりがいのある仕事です。

また、メリットも多く、訪問でも「日勤だけは嫌だ」「夜勤だけは嫌だ」という方や、「人間関係が気になる」という方にはおすすめの仕事といえます。

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