サ高住と住宅型有料老人ホームの働き方とメリット・デメリットを徹底比較

介護の仕事の種類

高齢者が安心して暮らせる施設として人気が高まっているのが、サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)と住宅型有料老人ホームです。

しかし、これらの施設はどのような特徴があり、どのような人が入居できるのでしょうか?また、そこで働く職員はどのような仕事をしているのでしょうか?

この記事では、サ高住と住宅型有料老人ホームの違いを解説し、それぞれの施設で働くメリットやデメリット、必要な資格や給与などについて紹介します。介護の仕事を始めようとしている方や、転職を考えている方はぜひ参考にしてください。

サ高住と住宅型有料老人ホームの違い

サ高住と住宅型有料老人ホームは、どちらも高齢者が自分らしく暮らせる施設ですが、施設の特徴や入居対象者、サービス内容などに違いがあります。
一目で比較できるよう、以下の表にまとめました。

項目サ高住住宅型有料老人ホーム
入居対象者おおむね60歳以上 主に自立~軽度の要介護者自立・要支援1~要介護5 ※施設により異なる
費用敷金:家賃の2~5ヶ月分 月額費用:10~30万円 ※施設により異なる入居一時金:0~数百万円 月額費用:15~30万円 ※施設により異なる
居室面積個室 原則25㎡以上 ※条件を満たせば18㎡以上でも可個室 13㎡以上
主なサービス内容安否確認 生活相談 生活支援(掃除、買物代行など)食事の提供 生活支援(掃除、洗濯など) 健康管理 レクリエーション
介護サービス外部サービスを入居者が個々に契約外部サービスを入居者が個々に契約
契約方式建物賃貸借契約終身利用権方式

サ高住は、主に自立した高齢者を対象に様々な生活支援サービスを提供するバリアフリー構造の賃貸住宅です。
入居者は自由に外出や外泊ができますが、安否確認や緊急対応は施設職員が行います。
介護サービスは外部サービスを入居者が個々に契約するため、施設内で完結する仕事ではありません。

住宅型有料老人ホームは、自立から要介護まで幅広い高齢者が生活支援サービスを受けて居住する施設です。
入居者数は少なくアットホームな雰囲気ですが、入居者の介護度が高くなった場合でも退去させられません。
介護サービスも外部サービスを入居者が個々に契約し、重度の介護や医療的ケアが必要になることもあります。

サ高住で働くメリット・デメリット

サ高住で働く職員は主に「管理員」「相談員」「生活支援員」の3種類に分かれます。
管理員は施設の管理や安全確保、相談員は入居者の生活相談や外部サービスの手配、生活支援員は掃除や買物代行などの生活支援を担当します。

サ高住で働くメリットとしては以下のような点が挙げられます。

メリット
  • 身体的な負担が少ない
    入居者が自立していることが多いため、重度の介護や医療的ケアは少なめです。身体的な負担も少なくて済みます。
  • コミュニケーションが取りやすい
    元気な入居者が多く、コミュニケーションを取りやすく、信頼関係を築きやすいです。
    入居者の生活スタイルや趣味などに合わせて柔軟に対応できます。
  • 地域や医療と連携する機会が多い
    施設内で完結する仕事ではなく、地域や医療と連携することも多いです。
    幅広い知識や経験が身につきます。

一方でデメリットとしては以下のような点が挙げられます。

デメリット
  • スケジュール把握や家族対応が大変
    入居者が自由に外出や外泊できる施設が多く、スケジュール把握や安否確認、家族対応が頻回です。
  • クレームが来やすい
    施設ごとにサービス内容や運営方針が異なり、介護付き有料老人ホームの感覚でいる家族や利用者も少なくありません。入居者や家族からクレームが来やすく、対応力や交渉力が必要です。
  • 給与や福利厚生が劣る場合もある
    格や経験に応じて給与が決まることが多く、他の介護施設よりも安い場合もあります。
    福利厚生も充実していない場合もあります。

住宅型有料老人ホームで働くメリット・デメリット

住宅型有料老人ホームで働く職員は主に「管理者」「生活相談員」「生活支援員」「看護師」の4種類に分かれます。
管理者は施設全体の運営管理や職員教育、生活相談員は入生活相談員は入居者の生活相談や外部サービスの手配、生活支援員は食事や掃除などの生活支援、看護師は健康管理や医療機関との連携を担当します。

住宅型有料老人ホームで働くメリットとしては以下のような点が挙げられます。

メリット
  • アットホームな雰囲気で働ける
    入居者数が少なくアットホームな雰囲気で働けます。
    入居者と長期的に関わるため、深い信頼関係を築けます。
  • 仕事のやりがいがある
    食事やレクリエーションなど多彩な業務に携われます。
    入居者のニーズに応えることができるため、仕事のやりがいがあります。
  • 福利厚生が充実している場合もある
    大手企業が運営している施設も多いため、賞与や休暇、その他福利厚生が充実している場合もあります。

一方でデメリットとしては以下のような点が挙げられます。

デメリット
  • 重度の介護や医療的ケアが必要になることもある
    入居者の介護度が高くなった場合でも住み続けることが多く、重度の介護や医療的ケアが必要になることもあります。
    身体的・精神的な負担も大きくなります。
  • 職員の数が不足していることもある
    人員基準がないため、施設によっては職員の数や資格が不足していることもあります。
    責任感や自主性が求められます。
  • 給与が劣る場合もある
    給与は資格や経験に応じて決まることが多く、特養などの介護施設に比べると劣る場合もあります。
    また、キャリアアップの機会も少ない場合もあります。

サ高住と住宅型有料老人ホームで働くために必要な資格や給与

サ高住と住宅型有料老人ホームでは、それぞれに働くために必要な資格や給与が異なります。以下にまとめました。

項目サ高住住宅型有料老人ホーム
必要な資格・管理員:資格不要
(介護福祉士や社会福祉士、ケアマネジャーなど福祉系資格が望ましい)

・相談員:資格不要
(初任者研修以上の資格が望ましい)

・生活支援員:資格不要
(初任者研修以上の資格が望ましい)
・管理者:資格不要
(介護福祉士や社会福祉士、ケアマネジャーなど福祉系資格が望ましい)

・生活相談員:資格不要
(初任者研修以上の資格が望ましい)

・生活支援員:資格不要
(初任者研修以上の資格が望ましい)

・看護師:看護師または准看護師の資格
平均給与管理員:月収25~30万円
相談員:月収20~25万円
介護職員:月収18~23万円
管理者:月収25~30万円
生活相談員:月収20~25万円
介護職員:月収18~23万円
看護師:月収25~35万円

サ高住と住宅型有料老人ホームでは、働くために必要な資格は基本的にはありません。しかし、介護職員初任者研修以上の資格を持っていると採用されやすく、給与面でも優遇されることが多いです。

また、平均給与は管理職で月収25~30万円程度であることが多く、他の介護施設よりも安い場合もあります。福利厚生も施設によって異なりますので、事前に確認することが大切です。

まとめ

この記事では、サ高住と住宅型有料老人ホームの違いや働くメリット・デメリット、必要な資格や給与などについて紹介しました。

サ高住は自立した高齢者を対象に様々な生活支援サービスを提供する賃貸住宅で、身体的な負担が少なくコミュニケーションが取りやすいですが、安否確認や緊急対応が大変で給与や福利厚生が劣る場合もあります。

住宅型有料老人ホームは自立から要介護まで幅広い高齢者が生活支援サービスを受けて居住する施設で、アットホームな雰囲気で仕事のやりがいがありますが、重度の介護や医療的ケアが必要になることもありますし、職員の数や資格が不足していることもあります。

両者ともに働くために必要な資格はありませんが、介護職員初任者研修以上の資格を持っていることが望ましいでしょう。

初めて介護の仕事をする方は、まず資格取得を目指すことをお勧めします。
(参考記事:【資格】介護の仕事を始める時に介護職初任者研修をとるメリット3選

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